研究 / Research

JST ERATO

河原林巨大グラフプロジェクト

研究総括:情報学プリンシプル研究系教授 河原林健一

kawarabayashi_2.jpg インターネットのweb構造や、Facebook、Twitterなどのソーシャルネットワークに代表される巨大なネットワークは、日々10億を超える人々が利用し、情報量の増加はハードウェアの進歩を上回る速さで進んでいます。このため、膨張する巨大なネットワークを飛び交う膨大な情報を実用的な速度で解析できるアルゴリズムの開発が急務となっています。

 本プロジェクトでは、巨大情報量の解析を伴う社会の諸問題解決の糸口となる数理的基盤を構築することを目指しています。日々膨張するネットワークを点と辺で構成される「巨大なグラフ」(ビッグデータ構造)として考え、急速な情報量増大にも適応し、諸課題の解決に役立つ高速アルゴリズムの開発を、理論計算機科学、離散数学、最適化、機械学習などにおける最先端の数学的理論を駆使して行います。また、この研究活動を通じて数理基礎研究の有用性を社会に訴えるとともに、日本全国から優れた若手人材を集結し、多方面で活躍できる基礎力のある人材の育成にも取り組んでいます。その一環として、情報系基礎分野の複数の大型プロジェクトの賛同を得て、合同ワークショップ「情報系WINTER FESTA」を継続的に開催し、研究者同士がさらに刺激しあう場を提供しています。

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蓮尾メタ数理システムデザインプロジェクト

研究総括:アーキテクチャ科学研究系准教授 蓮尾一郎

hasuo_1.jpg 今日の製造業においては、高度な情報処理技術を用いた自動化とソフトウェア支援により、設計から生産に至る工程の様相を根本的に変える取り組みが進んでいます。こうした背景から、本プロジェクトでは従来のものづくり技術にソフトウェア科学の成果を導入し、仕様策定から設計、実装、保守まで工業製品開発のさまざまな側面を支援するソフトウェア・ツールの構築を目指します。

 具体的には、「形式手法」というソフトウェア科学における数学を基盤としたシステム設計の技法を取り込むことにより、製品の品質保証や効率化へのソフトウェア支援を大きく推進します。工業製品の開発に形式手法を適用するには、物理系の連続ダイナミクスや確率・時間などの連続的要素を包含するように形式手法を拡張することが必要です。この理論的困難に対する独自のアプローチとして、形式手法の拡張の過程そのものを数学的に解析し、高次(メタレベル)の理論を構築することで、形式手法の諸技法を一挙に拡張します。以上の成果を自動車業界など産業界の各分野に展開を図る予定です。また同時に、ソフトウェア科学や制御理論を包括する新たな理論体系の構築を通じて、数学一般に対する学術的貢献を目指します。

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