イベント / EVENT

平成28年度
「情報学最前線」

国立情報学研究所の研究者が「情報学」の先端を一般向けに解説する、年6回のプログラムです。

平成28年度 市民講座「情報学最前線」

開催概要
参加費 無料
会場 東京都千代田区一ツ橋2-1-2
学術総合センター
コーディネーター 宮尾 祐介(国立情報学研究所 准教授)
福田 健介(国立情報学研究所 准教授)
時間 開場 18:00-
講義および質疑応答 18:30-19:45
主催 国立情報学研究所
後援 千代田区
開催プログラム

※各回ごとに受講できます。

第1回 2016年6月22日(水) 18:30-19:45
平成28年度市民講座第2回
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質疑応答
資料
つながりのビッグデータ解析
人間関係ネットワークの科学と活用
秋葉 拓哉
【概要】
物事の関係が現れるほぼあらゆる場面で、データはグラフとして表現され処理されます。特に近年では、インターネット及びワールド・ワイド・ウェブの普及に伴い、ソーシャルネットワークやウェブグラフを始めとする、非常に大規模なグラフデータが遍在しています。そのため、大規模グラフデータから有用な情報を効率的に引き出すことは現代社会の様々な場面において重要な役割を担っています。本講演では、基本的なネットワーク解析の手法、小規模グラフデータで用いられてきた古典的なアルゴリズム、大規模なグラフの処理に向けた課題とそれに立ち向かう現代の研究などについて扱います。
第2回 2016年 8月25日(木) 18:30-19:45
五島 正裕
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質疑応答
資料
コンピュータはどうやって動くのか?
コンピュータのしくみ~スマホからスパコンまで~
五島 正裕
【概要】
今やコンピュータは身の回りに溢れかえっています。ところがコンピュータは、ほぼ完全な「ブラック・ボックス」です。そのしくみをちゃんと理解して使っている人は、実は、情報のプロの中にもほとんどいません。
しくみをちゃんと理解するには、大学の情報系の学部でも2年はかかり、数時間の講義ではまったく不可能なことです。
そこでこの講義では、基礎から応用まで、以下のようなトピックをつまみ食いして、コンピュータはどうやって動いているのか、何となく分かったような気になることを目標とします。
● なぜ半導体で作るの? ● 0と1で動くってどういうこと? ● コンピュータとは、たとえて言えば? ● ムーアの法則って何? ● スパコン、ポスト「京」のポイントは?
第3回 2016年10月20日(木) 18:30-19:45
対馬 かなえ
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質疑応答
資料
正しいプログラムを簡単に書くには?
プログラムの型とそのデバッグ手法
対馬 かなえ
【概要】
PC やスマートフォンのような私たちの前にある電子機器だけでなく、私たちに身近なお店でも、駅でも、あらゆるところで空気のように動いているプログラム。正しく動いているときはその存在になかなか気づきませんが、一度間違った動作をすると社会に大きな影響を与え、トップニュースになることもあります。本講義ではプログラムに制限を加えることでプログラムの正しさを高めようとする「型」という手法と、その手法を用いたプログラムの良さと書きにくさ、「型」で正しさが高められたプログラムを簡単に書けるようにする最先端の研究について紹介します。
第4回 2016年11月29日(火) 18:30-19:45
山田 誠二
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質疑応答
インタラクティブな知能
AIをバズワードで終わらせないために
山田 誠二
【概要】
現在人工知能AIが第3次ブームと言われるが、AIが人間と同じぐらい広い問題に対して同じレベルの知能を実現することは難しいのです。今後は、AIが苦手で人間が得意とする能力、またその逆の能力の境界がよりはっきりとしていくでしょう。
そして、その先にあるAIの望ましい姿として、人間と役割分担をして共生していくことが重要となります。本講演では、このような方向性を持つ研究プロジェクトでありますヒューマンエージェントインタラクションHAIと知的インタラクティブシステムIISの紹介を通して、スタンドアローンの人工知能からインタラクティブな人工知能へのパラダイムシフトについてお話しをします。
第5回 2017年1月31日(火) 18:30-19:45
高倉 弘喜
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質疑応答
資料
サイバー攻撃に耐性を有する情報ネットワーク
システム全体を俯瞰したダメージコントロールの実現
高倉 弘喜
【概要】
サイバー空間が必要不可欠な社会インフラとなるに伴い、その構成要素である情報システムに重要性に応じたセキュリティ対策が求めらるようになりました。一方、サイバー攻撃の手口は日々進化し、ある程度深刻な事態に陥るまではその存在に気づけず、攻撃の存在察知までに年単位、被害の全貌把握までには月単位の時間を要するのも珍しくなくなりました。このため、次々と追加される被害状況の情報に応じて、その影響を適宜軽減しながらも、要となるシステムの運用を継続し、一部の機能を停止させて運用を継続する新たな対策手法が必要となっています。本講義では、このような考え方に基づいたサイバー攻撃対策について概説します。
第6回 2017年2月22日(水) 18:30-19:45
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質疑応答
資料
人間の声?それともコンピュータ?
音声情報処理におけるディープラーニング最前線
高木 信二
【概要】
現在、音声合成技術は、機械の声と感じてしまう不自然なものから、人間の発話と区別できないほど高品質なものとなっています。また、音声合成技術の進歩、合成音声の表現力の向上に伴い、サイネージ、ロボット、ナビゲーションシステムなどで用いられ急速に普及し始めています。この音声合成の技術進歩には、大量のデータからコンピュータにより音声合成を実現する統計的手法の確立・改善が背景にあります。最近では、この統計的手法の中でもディープラーニングと呼ばれる手法が鋭意研究されており、飛躍的な技術進歩が起こっています。本講座では、音声合成の基本から音声情報処理で用いられる最新のディープラーニングまでわかりやすく紹介します。
特別回 2017年3月1日(水) 18:30-19:45
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質疑応答
ナノサイズの「揺れ」がもたらす新分野
-フォノンデバイス技術の最前線-
山口 浩司(NTT物性科学基礎研究所 上席特別研究員)
【概要】
現代物理学の基本法則である量子力学によると、連続的でいくらでも小さく分割できると思われていた多くの物理量には、その最小単位が存在します。例えば電気においては電子、光においては光子、磁気の場合はスピンがそれらの単位にあたります。このような最小単位は「量子」と呼ばれますが、最近フォノンと呼ばれる量子が注目を集めています。
フォノンとは、大地を伝わる地震のように結晶構造の歪みが物質中を伝搬していく「弾性波」の最小単位であり、物質中で音や熱の伝搬を担うという重要な役割を持っています。
本講演では、このフォノンという量子に注目し、超高感度センサーや信号処理技術などへの応用から、巨視的量子現象の観測といった基礎科学における最近の話題までを、わかりやすく説明します。
過去の開催情報
お問合せ先

国立情報学研究所 総務部 企画課 広報チーム
市民講座 担当
〒101-8430 東京都千代田区一ツ橋2-1-2
TEL:03-4212-2145
shimin(a)nii.ac.jp ※(a)の部分を@に置き換えて送信してください。

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